ジャケ・ドローは、ファンタジー映画「ロード・オブ・ザ・リング」の演出で知られるジョン・ハウとコラボレーションを果たし、ふたつの限定モデルを発表した。彼が描いたドラゴンを、細密画で“高温焼成”エナメルのダイアルに再現している。
ファンタジーアートの巨匠が描く、幻想的なドラゴン
ジャケ・ドローは、ジョン・ハウとのコラボレーションによって誕生した初の作品「プティ・ウール ミニット“ドラゴン”」を発表した。ファンタジーアートの巨匠と称されるジョン・ハウは、ピーター・ジャクソン監督による冒険ファンタジー映画「ロード・オブ・ザ・リング」や「ホビット」の3部作などに大きく携わる。イラストレーターやコンセプチュアル・アーティストとして活躍し、彼が描いた芸術的なファンタジー世界や劇中での演出は、多くの賞賛を浴びた。
2020年の末にパートナーシップを結んだ、両者のコラボレーションで描かれるテーマはドラゴンだ。中国や日本では竜と呼ばれるこの空想上の生物は、地域によって描かれる姿や言い伝えは異なるが、世界各国の物語の中で語られ続けてきた。ドラゴンは宇宙の始まりから未来永劫、そして永遠の復活を体現する存在なのだ。
今作のダイアルで存在感を放つドラゴンは、彼自身の初期のデザインに立ち返り、オーソドックスな姿に描かれた。灰色の背と白色の腹部を持ち、舌だけが赤く彩色されたこのドラゴンは「ドラゴン・パール」と呼ばれる、光り輝く大きな真珠を爪で掴んでいる。
真珠は、それを持つ者の幸福や富、叡智とつながっていると言われている。またドラゴンは中国の表象解釈において、皇帝の英知と優れた思想を反映しており、神聖な存在であることと同時に権力を表す。
高温焼成エナメルと細密画
プティ・ウール ミニット“ドラゴン”のダイアルにはダークブルーエナメルが用いられ、ジョン・ハウのインスピレーションを最大限に表現するため、小径の時分表示を12時側へ移動させ、ダイアルの下部に広いスペースを持たせている。
高温で焼成するグラン・フー・エナメルの中でも、一般的なホワイトエナメルに比べて、 ダークブルーエナメルはその作業難易度が高いとされている。ダイアルの表面は独特の質感を生み出し、その上に竜の細密画が描かれる。ジャケ・ドローで長年の経験を積む細密画の職人が、卓越した装飾工芸技術を駆使しながら、ジョン・ハウが実際に描いた竜の立体感を見事に再現。繊細な線で引かれた輪郭がはっきりとしているため、暗い背景に竜が浮かんでいるように見え、尻尾の先端まで奥行きを感じられるのだ。
多くの職人技が作り上げた2種類の芸術作品は、ホワイトゴールド・イエローゴールドともに18本のみが製作される。ケースバックにはシリアルナンバーが刻まれ、特別感あふれる仕様である。